簿記2級のテキストや参考書選びに迷っている方に、人気のテキストを比較したおすすめを紹介します。
市販の書籍は要点が絞られていて簿記2級の試験対策に良いのですが、かなりの数があるのでどれが良いか迷ってしまいます。
個人差はありますが、今回は簿記2級合格者の方に、人気の参考書を比較して頂きテキストの特徴について解説してもらいました。
簿記2級の参考書10選 おすすめポイントも紹介
みんなが欲しかった!簿記の教科書日商2級商業簿記
資格の学校として有名なTAC株式会社から出版されている著者滝澤ななみさんの「みんなが欲しかった!簿記の教科書日商2級商業簿記」について紹介します。
本書の他の参考書と一番違う点はフルカラーで図解が多めの解説がされているところです。
合う人にはとても理解しやすいでしょう。
また、巻末には仕訳問題集が別冊で付いており、さらに特典としてネット試験の模擬問題、アプリの仕訳問題集を利用することができます。
同出版同著者のスッキリシリーズとの大きな違いはスッキリシリーズが参考書兼問題集のため収録されている問題数がスッキリシリーズの方が圧倒的に多いです。
しかし、その分みんなが欲しかったシリーズの方は図解を多めにより丁寧に解説されている印象です。
また、問題集に関しては同シリーズの問題集編があるため、そちらを使うとより理解が深まるでしょう。
みんなが欲しかったシリーズは税理士試験の対策本まで出版されている(著者は違います。)ので税理士まで考えておられる人は本シリーズで学習してみてもいいのではないでしょう。
スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記
資格の学校として有名なTAC株式会社から出版されている著者滝澤ななみさんの「スッキリわかる日商簿記2級商業簿記」について紹介します。
本書はおそらく簿記検定関連の参考書で一番売れているのではないでしょうか。
本書は参考書兼問題集といった構成になっています。
冒頭数ページに簿記検定の料金や試験時期、そして試験形式の説明など簿記試験の基本情報が記載されています。
前半は各論点の説明がされておりネコのキャラクターゴエモンと一緒に楽しく学習できます。
後半に各論点の基本問題と本番形式の模擬問題が1回分準備されています。
さらに無料特典としてネット試験の模擬試験とアプリによる仕訳問題が利用できます。
すごく盛りだくさんの内容でさすが人気の書籍だという印象を受けます。
しかし、問題の解説自体は簡素な印象を受けます。
とはいえ、前半のそれぞれの論点の説明をしっかり見直して学習すれば十分理解できるでしょう。
また、難化傾向にある最近の2級試験では本書の問題だけでは若干、心もとなく別に過去問や問題集をこなしておくとより盤石の態勢で試験に挑めるでしょう。
自分に合った参考書がわからないという方は一度、手にとってはどうでしょうか。
スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記
資格の学校として有名なTAC株式会社から出版されている著者滝澤ななみさんの「スッキリわかる日商簿記2級工業簿記」について紹介します。
本書と同シリーズである商業簿記編の2冊を使い、2級を合格したという人も多いと思います。
本書は参考書兼問題集といった構成になっています。
前半で各論点の説明(商業簿記編と同様ネコのゴエモンと一緒に勉強していく形式です。)、後半に各論点の基本問題と本試験と同形式の模擬問題が1回分準備されています。
また、特典としてネット試験形式の問題を解くこともできます。
問題の解説部分は商業簿記編に比べて詳細に解説されており、商業簿記に比べて理解力や計算力を求められる工業簿記の対策もばっちりできるでしょう。
簿記3級も同シリーズを使っていたという人は心配なく2級もこのシリーズを利用しましょう。
また、それ以外の人も3級と2級では難易度が格段に上がるため一度検討してみてはどうでしょうか。
パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級商業簿記
簿記受験者なら知っている人も多いのではないでしょうか著者よせだあつこさん株式会社翔泳社から出版されている「パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級商業簿記」について紹介します。
結論から述べるとこの参考書で考え方や解き方を学んだ(インプット)あとに、過去問や問題集でドンドン問題を解いて(アウトプット)いけば自学自習でも本試験での合格点にはなんなく到達することができます。
パブロフという犬?みたいなかわいいキャラクターが登場し、そのキャラクターと一緒に学んでいくような形式になっており、楽しみながら学習できます。
特に2級の鬼門だといわれている連結会計についても理解しやすいように解説されており、私自身この参考書で連結会計の考え方がスッと腑に落ちました。
また、よせだ先生が問題を解きながら解説されているYOUTUBE動画も見ることができるのでより理解が深まります。
ただ、冒頭でも述べた通りこの参考書はあくまで教科書的なものなので別に問題集や過去問を用意する必要はあります。
同じシリーズの問題集バージョンや自分にあった問題集を用意しましょう。
パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級工業簿記
簿記受験者なら知っている人も多いのではないでしょうか著者よせだあつこさん株式会社翔泳社から出版されている「パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級工業簿記」について紹介します。
簿記3級を合格して次は2級だと張り切っておられる方。
工業簿記は3級にはなかった分野です。
日商簿記に比べて暗記要素より計算要素や考え方をしっかり理解する能力が求められます。
しかし、この参考書を使って勉強していけば心配はありません。
この参考書は工業簿記の各論点が丁寧に説明されています。
パブロフという犬?みたいなキャラクターと一緒に学んでいく形式になっているので楽しみながら勉強できます。
また、YOUTUBEでよせだ先生が問題を解きながら解説されている動画も見ることができるので工業簿記が苦手だという方も必ず解けるようになると思います。
この参考書で各論点を勉強し、過去問や問題集で問題をこなしていけば本番では工業簿記分野の40点満点も十分に可能です。
もし工業簿記分野で悩んでいる人がいたらぜひ手に取ってもらいたい1冊です。
いちばんわかる 日商簿記2級 工業簿記の教科書
サンクチュアリ出版から出版されている公認会計士専門の資格学校のCPA会計学院が著者の「いちばんわかる商業簿記2級 工業簿記」について紹介します。
本書はCPA会計学院から出されているテキストで、他の参考書に比べて書店で扱われていることが少ない印象です。
資格学校に通ったら数万円はするであろう講義が本書代だけで利用できるのはお得感が強いです。
また、ネット模試も利用することができます。
CPAラーニングという無料で利用できるCPA会計学院が運営しているネットサイトの内容と準拠しており、一緒に利用することが前提になる構成になっています。
各論点の説明は活字が多めになっているのでしっかり文章を読んで理解したい人は向いていると思います。
料金は他のテキストに比べると安めなので、なるべく費用を抑えたい人にもおすすめです。
一方、難点としては現時点で問題集編が出版されていないところです。
将来的には出版されるかもしれませんが、今のところ問題集は別から出版されているものを利用することになるでしょう。
パソコンやタブレットを持っていてネットサイトが利用することができる人は本書で勉強するのを検討してみるのもいいでしょう。
イメージで攻略わかる!受かる!!日商簿記2級商業簿記
マイナビから出版されている著者滝澤ななみさんの「イメージで攻略わかる!受かる!!日商簿記2級商業簿記」について紹介します。
著者の滝沢ななみさんはTACからも簿記の本を書かれており、知っている人も多いと思います。
本書はフルカラーで図解多めの参考書です。
最後には本番テストと同形式の模擬問題が一回分用意されています。
また、特典としてネット試験の模擬問題と仕訳アプリを利用することができます。
勘定科目がキャラクターに擬人化されており、堅苦しい文章を読むのは苦手だという人もすんなり内容が頭に入ってくるように工夫がされています。
同じような参考書に上述した同著者のTAC出版のものがありますが、ページ数は同じぐらいですが本書の方が手に持った感覚だと重量が軽い印象があり、カバンなどで持ち運ぶ際少しでも持ち物を軽くしたいという方におススメできます。
もちろん内容が軽いということは決してなく本書と過去問や問題集で勉強していけば試験合格に十分な力が付くでしょう。
合格テキスト日商簿記2級 工業簿記
TACから出版されている「合格テキスト日商簿記2級 工業簿記」について紹介します。
本書は教科書的役割のもので同シリーズの問題集と一緒に使えばより効果を発揮する作り方になっています。
内容はシンプルでわかりやすい構成になっています。
各論点を説明の後、基本問題が用意されており、もしつまづいた点があればつど説明されているページに戻って学習しなおせば無理なく力をつけることができます。
個人的におススメの学習方法は各論点が終わるごとに同シリーズの問題集を解いていくことです。
基本的に準拠して作られているので学生の時のようなやり方で勉強を進めていくことができます。
また、他の参考書に比べて良いところは大型本でページ数が比較的少なめなので机で開けたときに開いたままを維持できるところです。
細かい部分にはなりますが勉強中のストレスが軽減されてより集中して取り組めるでしょう。
ただ何度も述べているように大型本なので通勤通学中に読むというのにはおススメできません。
また、本書自体の問題数は他の参考書に比べても少なめなので、必ず他に問題集は必要になります。
究極の仕訳集日商簿記
資格の学校として有名なTAC株式会社から出版されている「究極の仕訳集日商簿記2級」について紹介します。
ちなみに私は実際にこの問題集を使って簿記2級に合格することができました。
構成は見開き左側に仕訳問題、右側に解答と解説(赤シートで隠すことができる)とシンプルでわかりやすくなっています。
前半は基本仕訳編、後半は本試験演習編と別れています。
前半では論点ごとに仕訳問題が記載されており、後半では実際の試験形式で仕訳問題が記載されているので着実に実力がついて合格の手助けとなってくれる問題集です。
しかし、解説がやや簡素なので簿記2級を学習するのが初めての人はまずほかの参考書や講義などで基本の仕訳項目を学習してから使用するのがよりおススメです。
私は主に移動時間や寝る前のスキマ時間に確認用として利用していました。
本試験では特に大問1の仕訳問題で威力を発揮してくれました。
これから簿記2級受験を考えておられる方はぜひ一度本書を手に取ってもらいたいです。
独学応援!ホントに理屈っぽい!簿記2級商業簿記 理屈で解きたい人のための解説書
YOUTUBEで簿記の解説をされていることで有名なふくしままさゆきさん著書の「独学応援!ホントに理屈っぽい!簿記2級商業簿記 理屈で解きたい人のための解説書【改訂版】 Kindle版」について紹介します。
本書は簿記2級の参考書としては異彩を放っています。
KindleUnlimitedに加入していれば無料で見ることができます。
加入していなくても500円で購入できるので他の参考書に比べると安価です。
会計業界で長年にわたりご活躍されてきた著者の豊富な知識とわかりやすい説明が余すことなく詰め込まれた一冊です。
1608ページにおよぶ大ボリュームの内容でこれだけのものが無料で利用できるのはすごくありがたいことです。
しかし、本書ははっきり言って初学者向きではありません。
むしろ他のテキストや講義で2級に合格した後に読んだほうがより理解が深まるでしょう。
なぜなら著者自身、冒頭に記載されていらっしゃるのですが、他の一般的な参考書とは異なり理論的・なぜこういう考え方になるのかといったことに重きが置かれているためです。
そのため一つ一つの論点に対して深堀されており、初学者はほとんど間違いなく途中で挫折すると思われます。
一方で将来、会計分野のエキスパートになりたい、税理士や会計士を目指しているという人にとってはとてもおススメできる名書です。
簿記検定に合格しただけでは実務において戸惑う機会もあるでしょう。
経理部門で活躍されているすべての人に目を通してほしい本です。
簿記2級のテキストは何冊も購入しないこと
参考書は役立つのですが、何冊もやろうとすると効率が悪くなるのでおすすめしません。
それより参考書1冊(商業簿記と工業簿記を1冊ずつ)と問題集1冊をしっかりと勉強したほうが効率よく学習できます。
間違えたところを何度も復習すれば、簿記2級に合格できる実力をつけることができます。
参考:簿記2級の独学
もし独学に不安があるなら、通信講座を使うと効率よく試験のポイントを学習することができます。
通信講座は高いイメージがあるかもしれませんが、試験に特化したカリキュラムになっているので1発合格を狙うなら利用する価値はあります。
ただ通信講座によって特徴が違うので、こちらの記事でどんな感じかだけでも見てみてください。
資料請求をしている通信講座も多いので、無料なのでとりあえず資料請求するだけでもおすすめです。