行政書士の独学勉強法【2023年】合格までの勉強時間

行政書士に独学で合格できた実績から、どんな勉強法をしたのか、勉強時間はどのくらいだったのか、合格するにはどうすればよいかを説明します。

行政書士試験に合格するには、試験の特徴をつかみ、効率よく勉強する必要があります。

この記事では、スケジュールの立て方や、勉強のポイントをまとめました。

目次

行政書士試験は独学で合格できるのか?

行政書士を独学で合格できるのか?時間と労力をかければ、独学でも合格は可能です。

ただし、近年の行政書士試験の合格率は10%前半で推移しており、法律初学者が独学のみで合格するのは、かなりハードルが高いです。

正直にお伝えすると行政書士試験は出題範囲が広く難易度は高いので、独学よりも予備校の通信講座を利用したほうが効率よく学習できます。

行政書士は年に何度も受験できるわけではないので、時間を有効に使う意味でも検討する価値は十分あります。

大学の法学部卒業者や司法試験の経験者などでないかぎり、できるだけ独学は避けた方がよいでしょう。

独学だと範囲の広い行政書士の試験を網羅することは難しいですし、恐らく用語などの理解も効率的に行えないため挫折する可能性が高くなります。

行政書士を合格するには、良い教材を取り入れて効率的に勉強するのが最短ルートです。

実際に合格者が行っていた勉強法も紹介するので、独学の参考にしてみてください。

行政書士試験の勉強時間とスケジュール

行政書士は、600時間~1,000時間の勉強時間が必要だと言われています。

1日3時間、勉強したとしても、6ケ月以上かかります。

行政書士の試験は範囲が広いのが特徴ですが、配点などを考慮した勉強法を行うと効率的に点数を伸ばせます。

独学だと、こういった効率化のポイントがわからないので覚えておいて損はありません。

合格者の行政書士試験の勉強スケジュールの一例を紹介します。

行政書士試験の科目は、「基礎法学」「憲法」「行政法」「民法」「商法・会社法」「一般知識」ですが、「行政法」と「民法」だけで6割以上の配点があります。

そのため、この2科目の比重を大きめに勉強することをおすすめします。

月ごとにメイン科目とサブ科目を決め、さらに、1日ごとにスケジュールを細分化しておくなどすると、勉強を進めやすいです。

【スケジュール例】

※メイン科目/2時間、サブ科目(1日1科目)/1時間 を毎日勉強する(合計3時間)

 メイン科目サブ科目1日あたりの学習ページ数 (【テ】テキスト【問】問題集)
1月基礎法学憲法、行政法【テ】基○P、憲○P、行○P
2月憲法基礎法学、行政法【テ】憲○P、基○P、行○P
3月行政法憲法、民法【テ】行○P、民○P【問】憲○P
4月行政法基礎法学、民法【テ】行○P、民○P【問】基○P
5月民法行政法、憲法【テ】民○P【問】行○P、憲○P
6月民法行政法、商法・会社法【テ】民○P、商○P【問】行○P

これはあくまで一例ですが、実際に合格している人のスケジュールになるので参考にできると思います。

行政書士の独学勉強法

行政書士に限らず、資格試験の勉強法は「インプット」と「アウトプット」のバランスが大事になります。

資格試験を数多く受けていると、だいたい決まったパターンが最も効果的と気づくからです。

王道の勉強法になりますが、効率的に行政書士に合格できる手順になります。

  1. 参考書で用語を覚える
  2. 問題集で実践演習をする
  3. 追い込みで最終調整を行う

独学であれば、基本的に参考書と問題集の使い方が全てです。

参考書で用語を覚える

最初に行うべき勉強として、行政書士の基本を覚えることがあります。参考書や六法を読んで、行政書士に必要な用語を覚える時期になります。

学習スピードには個人差があるので、理解できたかを基準にして勉強して下さい。

全てを理解することは無理なので、7割前後を理解するつもりで勉強して下さい。

またこの時期は読むだけではなく、過去問を使って勉強するのも効率的です。

過去問を解くことで、どの程度の内容を理解したのかを判断できるからです。

独学の場合、進捗状況は自分で把握する必要があるので注意しましょう。

参考書を読むだけでは、実際にどの程度の実力が身についたかわかりません。

問題を適度に解くことで、独学でも勉強の進捗を把握することができます。

問題集で実践演習をする

参考書で用語を理解したら、問題集で実践演習を開始します。

ただし行政書士の問題は、3時間分の問題なので1つ終わるのにかなり時間がかかります。一つ一つ丁寧に解くことも重要ですが、この勉強法では効率が良くありません。

独学での効率的な勉強法として、まず 「行政法」と「民法」 から勉強します。

重要科目のこの2つを最初に解くことで、スケジュールに余裕を持たせることができます。

まずはこの2つの正解率を、7割以上取れるように勉強します。

問題集を1〜2回解いただけでは、7割以上の正解率を取ることは難しいです。

大体3〜5回ほど繰り返して勉強することで、7割以上の正解ができるようになります。7割以上取れるようになったら、その他の分野の勉強に移ります。

ですが行政法と民放は行政書士試験の核となるので時間を惜しまず勉強して下さい。

この2つで得点できるようになると、行政書士試験の合格率を上げることができるからです。

中心科目の問題集がある程度できるようになったら、基礎法学や一般知識等の分野を勉強します。

ここまでにかなり時間がかかっているはずなので、時間に余裕がない可能性もあります。

ですが中心科目以外を捨て問題にするのは危険なので、焦らず勉強をして下さい。

追い込みで最終調整を行う

行政書士試験の2ヶ月前になったら、最終追い込みの調整を行います。この時期は残り期間が少ないので、進捗が間に合っていない人は5時間以上勉強する必要があります。

独学だとスケジュールが遅れやすいので、進捗が遅れたらとにかく勉強時間を増やすことが重要です。

まずこの時期に行うこととして、今まで終わらなかった分野の詰め込み勉強があります。

上記で説明したスケジュールは、かなり順調に勉強した場合に達成できるからです。

多くの場合、苦手分野などが終わらず次へ進んでいると思います。

そういった遅れている分野を、この時期に取り戻すのが最重要ポイントになります。

まず最初の2週間で、苦手分野や終わらなかった分野の総復習を行います。一通り全体の勉強が完了したら、次はより実践的な勉強法に移ります。過去問や模試を利用して、自分の実力を確認して下さい。

恐らく間違える問題も多いので、そういった間違いは確実に正解できるようにします。これは繰り返し復習して覚えることが、最も早く効果的な勉強法になります。

効率化のポイントとしては、理解できていない問題をピックアップする勉強法があります。

間違えた問題をノートにメモするなどすることで、効率的な勉強ができます。

正解できても不安な場合は、何度もその問題を繰り返して勉強して下さい。

行政書士試験は範囲が広いので、理解できない問題を中心に勉強しなければ全て終わらせることができません。

簡単な勉強法ではありませんが、追い込み時期はやり残しをなくすことが重要です。

最後は詰め込みも必要になりますが、一つでも多くの知識をつけることが行政書士試験の合格に繋がります。

独学で失敗しないためのポイント

これは絶対ではないのですが、過去何度か行政書士を受験している人のアドバイスになります。

全体の配分を考えてバランスよく勉強する

勉強していると苦手科目も出てきますが、同じ科目ばかり続けて何日もやると失敗する可能性が高くなります。

「行政法」「民法」の配点が大きいですが、この2科目だけを勉強しても試験には合格できません。

全体のバランスを考えた勉強をして、合格ラインの点数を取れるように勉強しましょう。

配点の割合を考慮しつつ、全教科まんべんなく勉強するのがポイントです。

インプットよりアウトプットを優先する

テキストでひと通りの基礎固め(インプット)を終えたら、問題集をたくさんこなすこと(アウトプット)が重要です。

初めは正解できなくても気にせず、とにかくアウトプットを繰り返してください。

そうしているうちに確実に知識が定着していきます。

スマホは電源OFFに

スマホは必ず電源OFFにして勉強に集中しましょう。

友達や家族には、あらかじめ、勉強中は電源を切っていることを話しておくと心配されません。

寝る前のながらスマホなども、次の日の集中力が落ちる原因になるのでやめましょう。

数多くの参考書や問題集に手を出さない

独学で失敗する人に多いパターンに、何冊も参考書や問題集を購入して中途半端になることがあります。

数多くのテキストを使えば、行政書士試験の合格率が上がるわけではありません。

何冊も勉強するより、1冊を完璧にした方が効率よく合格を目指せます。

同じテキストばかり勉強していると、どうしても新しいテキストを使いたくなります。

しかし何冊も手を出して中途半端な正解率では、しっかりと理解したとは言えません。

確実に合格するためには、1冊の正解率を上げる方が勉強の効率が良くなります。

その他のポイント

各予備校の無料体験講座や、YouTubeの無料講義を利用するのもよいでしょう。

いつも同じテキストで勉強していると飽きてくるので、気持ちのリフレッシュになります。

行政書士試験の勉強は、少なくとも6ケ月以上かかる長期戦です。

モチベーションを保つため、時々いつもと違った勉強方法を試したり、勉強する場所を変えてみる、といった工夫も必要です。

行政書士の過去問の使い方

一般的な資格試験では、過去問だけで合格できる資格も多いです。

しかし行政書士試験に関しては、過去問だけで合格するのはかなり難しいです。過去問に出題されているのは、行政書士試験の出題範囲の一部だからです。

また法改正なども影響するので、過去問だけに頼ると失敗する可能性もあります。過去問の使い方としては、最初は参考書で用語を覚えた後にチャレンジすると効果的です。

ある程度の知識を身につけたら、実力試しとして過去問を使うのです。解けない問題も多いと思いますが、ここでどの程度の理解をしているかを把握しましょう。

過去問で理解できなかった問題を、何度も繰り返すことで理解の定着に繋がります。

過去問は上記で紹介したうかる!シリーズにも載っていますが、出る順行政書士ウォーク問過去問題集もおすすめです。

過去問で出題頻度が高い問題も同時に勉強できるので、独学の効率化に役立ちます。過去10年の問題からピックアップしていて、色々な問題パターンを理解することができます。

一般知識編もあるので、余裕があればこちらも行うことをお勧めします。

過去問の勉強のポイントとして、解いて終わりではなく必ず復習することがあります。間違えた問題は、本番でも同じミスをする可能性が高いので必ず復習しましょう。

1回の復習では覚えない可能性が高いので、何度か繰り返すことで合格に繋がります。行政書士試験では、過去問はある程度の知識が付いた段階で一度解きましょう。

その後、最後の追い込み時期にも最終調整としてチャレンジすることも重要です。過去問は本番に出題された問題なので、独学の実力試しには最も効果的な勉強法になります。

また過去問を勉強するときのポイントとして、時間配分にも注意しましょう。

3時間の試験は、思った以上に精神力を使う試験になります。過去問で時間配分を把握することも、本番で実力を発揮するためには重要になります。

行政書士の独学まとめ

難易度はかなり高い行政書士ですが、独学で合格することは不可能ではありません。

ただ相当な勉強時間とインプット・アウトプットが必要になるので、独学よりも通信講座や予備校で効率的に勉強することをおすすめします。

特に合格率が高い通信講座や予備校は、出題箇所を徹底的に分析しているので圧倒的に有利になります。

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