- 社労士は独学で合格できる?
- 難しい科目の勉強法を知りたい
- 試験までの学習スケジュールがわからない
社会保険労務士(社労士)の資格試験は範囲が非常に広く、かなりの科目を勉強しなくてはなりません。
その中でも比較的簡単な科目と難しい科目があり、効率よく学習しないと独学での合格は厳しいでしょう。
1回目の試験で合格した方は2%前後と言われていることからも、独学で合格することがかなり難しいことが理解できます。
今回は独学で社労士試験に合格した方たちの勉強法を紹介します。
必ずこの方法で勉強すれば合格とはいきませんが、学習の参考にしてください。
北 光太郎様

きた社労士事務所代表
不動産業界や飲料メーカーなど様々な業界で労務に10年間従事。在職中に社労士試験合格。
独立後は労務コンサルのほか、Webメディアの記事執筆・監修を中心に人事労務に関する情報提供に注力。
法人向けメディアの記事執筆・監修のほか、自身でも労務専門サイトを運営している。
社労士の独学に必要な勉強時間
社労士の独学には、どれだけの勉強時間が必要かを説明します。
社労士の講座を開催している大手スクールの情報によると、独学には800~1,000時間ほどの勉強時間が必要になるようです。
一般的に社労士試験対策に必要な勉強時間は800~1,000時間と言われています。大学で法律を学んだ、すでにほかの資格を取得しているなど、ある程度法知識のある方であれば800時間よりも短くなりますし、法律知識がない初学者の方の場合は1,000時間を超えることもあるでしょう。
フォーサイト
仮に1日3時間勉強すると、9~12ヶ月の期間が必要になります。
とくに独学の場合は、試験のポイントや出題傾向などがわからないことが多いため、1年以上の期間を確保して学習することをおすすめします。
ただし、勉強時間をしっかりと確保したからと言って、必ず合格できるわけではないことも覚えておいてください。
高いモチベーションを1年も継続することは簡単ではありません。
場合によっては、試験までの日数が1年を切っていることもあると思います。
合格までの学習時間は1,000時間が目安と考え、できるだけ社労士試験の学習に時間をあてましょう。
社労士の独学勉強法
社労士試験は範囲が広いため、効率よく勉強しなければ膨大な時間がかかってしまいます。
とくに初学者の方は、基礎知識から身につけなければいけません。
そのため、以下の手順で勉強すると良いでしょう。
- 基礎本よりもやさしい入門書で全体像を把握
- 基礎本で必要な知識を身につける
- 過去問で本試験の問題を解く
- 模擬試験で本試験の時間を体験
- 法改正を把握
- 繰り返し復習
順を追って解説します。
基礎本よりもやさしい入門書で全体像を把握
初心者の方は、基礎本よりもやさしい入門書からはじめることをおすすめします。
なぜなら、社労士試験は基礎本でもボリュームが多いため、読み込むだけでも時間がかかるからです。
「敵知らずして勝利なし」という言葉がありますが、まずは自分の挑む敵を知ることが大切です。
初心者の方は入門書でザックリと全体像を把握してから基礎知識を身につけるとよいでしょう。
基礎本で必要な知識を身につける
入門書で全体像が把握できたら、基礎本で必要な知識を身につけましょう。
ただし、基礎本といっても1,000ページ近いボリュームがあります。
一つひとつ知識を深掘りしながら、わからない箇所は入門書に戻って確認しましょう。
時間のない方は重要な所を見るだけでも問題ありません。
過去問で本試験の問題を解く
基礎本である程度の基礎知識が身についたら、過去問で問題を解いてみましょう。
社労士試験はひっかけ問題が多く、言い回しに慣れるのに時間がかかるため、はじめは解けない問題が多いかもしれません。
しかし、問題を解いていくうちにポイントがわかっていきます。
はじめは間違えても気にせず、とにかく進むことを意識しましょう。
何度も解いているうちに問題の傾向がわかり、だんだん解けるようになっていくはずです。
模擬試験で本試験の時間を体験
社労士試験は午前が1時間20分、午後は3時間30分で合計4時間50分の長丁場です。
4時間50分集中を切らさずに解けるよう、試験時間を身体に慣れさせる必要があります。
そのためにも、早めに模擬試験を体験すると良いでしょう。
模擬試験は市販でも販売しています。
本番と同じ時間で模擬試験を体験し、長丁場を乗り切る練習を行いましょう。
法改正を把握
社労士試験では必ず法改正の問題が出題されます。
そのため、社労士試験の対策で法改正の把握は必須といっていいでしょう。
法改正の内容は毎年試験年度の4月上旬時点で施行される法律が対象です。
試験年度に施行される法改正の情報は必ず勉強しておきましょう。
繰り返し復習
合格するための勉強法としては、1冊のテキストを完璧になるまで勉強を繰り返すことです。
繰り返すことで記憶が定着し、問題が解けるようになります。
また、中途半端な理解で他のテキストで勉強する方もいますが、これは効率が良いとは言えません。
1冊を完璧に覚えたほうが、ページ数や図解なども覚えていくため効率よく勉強ができ、記憶が定着しやすくなります。
何十回でも何百回でも良いので、覚えるまで復習しましょう。
社労士は覚えた知識の量が、合格率に影響する資格試験になります。
地道に勉強を続けることが、社労士合格に必要な要素になるのです。
社労士テキストの選び方
社労士のテキストは多くの出版社から販売されています。
しかし、すべてのテキストを購入する必要はありません。
むしろ1つの出版社に絞ってテキストを揃えた方が、テキスト同士で関連しているため効率的に勉強ができます。
たとえば、過去問には「この設問の詳細は基本書の〇〇ページを見てください」と書かれている場合があり、同じ出版社だからこそ、基本書や過去問で横断して勉強が可能になるのです。
社労士のテキストは基本書だけではなく、過去問や模試など個別に買い揃える必要があります。
横断して効率よく勉強できるよう、出版社を揃えて買うようにしましょう。
中でもおすすめの出版社はTAC出版の「みんなが欲しかったシリーズ」です。
テキストがすべてフルカラーで初学者・独学者専用に開発されているため、独学には最適なシリーズになっています。
また、出版元が大手の資格専門予備校であるため、的確にポイントをとらえています。
テキストに迷っている方は一度手に取ってみてください。
社労士試験合格のポイントは過去問の攻略
社労士試験に合格するためのポイントは、過去問を攻略することです。
過去問は繰り返し解くことで、社労士試験の傾向がわかり、問題が解けるようになります。
過去問を攻略するには以下の2つを意識しましょう。
- スケジュールに余裕を持つ
- 過去問の難易度は自分で決める
それぞれを詳しく解説します。
スケジュールに余裕を持つ
過去問の勉強は時間がかかることを覚えておいてください。
試験直前にならないようにできれば社労士の試験の3ヶ月前には、過去問に取り組めるようにスケジュールを組み立てましょう。
過去問もかなりボリュームがあるので、勉強時間がかかります。
余裕を持って取り組むことが大切です。
過去問の難易度は自分で決める
市販の過去問集の中には、難易度が記載されているものがあります。
しかし、その難易度は信用しなくてかまいません。
なぜなら、自分自身の難易度ではないからです。
過去問には、間違った問題に自分で「★マーク」をつける方法をおすすめします。
過去問で間違った問題に「★マーク」をつければ、その問題が自分自身の難易度になるはずです。
そして、「★マーク」が多いほど自分が苦手な問題になります。
試験直前は、自分の苦手な問題を重点的に勉強すれば、おのずと苦手分野がなくなり、試験で平均的に点数がとれるようになるでしょう。
社労士試験の独学で失敗しないために覚えておくこと
社労士試験は1年に1度の一発勝負です。
本試験で失敗しないためにも、以下のことを覚えておくと良いでしょう。
- 最後の追い込みが重要
- 試験前日は睡眠が大事
それぞれを詳しく解説します。
最後の追い込みが重要
社労士を独学で勉強する場合、追い込みが重要になります。
過去問で明確になった苦手な科目を克服し、すべての科目で合格ラインを超えるレベルまで持って行きましょう。
追い込み時期は、社労士試験の1ヶ月くらい前が目安です。
最後の1ヶ月間で過去問を攻略し、模擬試験でできなかった問題を復習すれば、合格ラインに到達できるでしょう。
また、追い込み時期に集中して勉強する方法として、コワーキングスペースやレンタル自習室を借りるのもおすすめです。
試験前日は睡眠が大事
社労士試験は4時間50分の長丁場です。
試験は体力と集中力がいります。
そのため、試験前日は睡眠が最も大事です。
試験前日は詰め込みすぎず、十分睡眠を取って本試験に挑みましょう。
社労士の独学まとめ
現代では、試験対策に有効なテキストも多く販売されているため、独学での合格は不可能ではありません。
ただし、社労士試験に合格するためには、800〜1,000時間ほどの勉強時間が必要になります。
仮に1日3時間勉強をしても、9〜12ヶ月の期間が必要となるでしょう。
独学で勉強する場合は、余裕をもって勉強をはじめることをおすすめします。
とはいえ、初めて社労士試験を受験される方は勉強方法や試験対策で不安に感じることもあるでしょう。
そのような場合は、通信講座の利用も検討してみてください。
社労士の通信講座については下記の記事で詳しく解説しています。
資料請求だけでも、最新の出題傾向や学習ポイントがわかるので参考になります。